教育学部長 萩野敦子

 琉球大学教育学部のルーツは,1880(明治13)年に設置された「沖縄師範学校」(沖縄県の初等学校教員養成機関)にさかのぼります。あいだに「沖縄文教学校」時代を挟んで70年後,1950(昭和25)年に開学した琉球大学の教育学部として,戦後の沖縄の教員養成を中心的に担うこととなりました。

 それからさらに70年余,時代は「平成」を経て「令和」となりました。この間(かん),それぞれの時代背景に応じて学生定員の増減がありましたが,2022(令和4)年現在の本学部は,各学年,小学校教育コース95人・中学校教育コース35人・特別支援教育コース10人の計140人が在籍し,沖縄県内外の学校教員を目指して,日々さまざまな学びに取り組んでいます。

 教育学部は,教員養成を目的とする学部で,卒業するために必要な単位を取って学位(教育学士)を取得すると同時に,所属するコースに合わせた教員免許が取得できる,という仕組みになっています。同じゴールをめざして将来像を共有し合える仲間と,励まし合いながら4年間の大学生活を過ごしていくので,自然とアットホームな雰囲気が生まれるという持ち味があります。

 さて,「令和」の時代は,Society.5.0と呼ばれる「超スマート社会」になると言われています。AI(人工知能)やロボットが,今まで「人」が行ってきたことを担うようになり,「人」の生き方が加速度的に変わっていこうとしています。人と人とのリアルなつながりが希薄になっていくことが予想されるのですが,そのような時代だからこそ,リアルなつながりを基本とする学校と,そこで行われる教育の存在が,より重要になってきます。これから10年,20年後には,多くの職業がAIやロボットに取って代わられると言われていますが,「人」の手を離れることのない職業のひとつが「教師・教員」です。

 子どもが好きな皆さん,人と関わることが好きな皆さん,他者と関わりながら自らを高めていきたいと願う皆さんに,この教育学部は,充実した4年間を提供できると思います。学校教育を構成するさまざまな領域や教科に対応できる教育組織を備え,学部を構成する大学教員も多様・多彩です。ぜひ,お互いに刺激を与え合いながら,「令和」の琉球大学教育学部をつくっていきましょう。

教育学部長 萩野敦子